キャンナスパワー2012年2月


2月27日

 

札幌の真鍋です。

2月、石巻支援に入ったH大学の学生さんのボランティア活動の様子を、同行されたゼミのI先生から
頂きました。

10月から仮設住宅にお住まいのご家族に、継続的関わってこられたからこそ、”変化する支援” を感

じている学生さんの様子も伝わってきました。

キャンナス石巻スタッフの皆さんの優しいそして力強い背中を見て、若い人たちも新しいチカラを創っ

てくれることに私も元気を頂きました。

以下転送致します

キャンナスさんのご理解のもとで、学生を連れて石巻へ通っているIです。大学では与えられない充実

した「人間教育の機会」を学生たちに与えて下さっている事に深く感謝しています。

仮設住宅の集会所で子供たちと遊ぶというボランティア活動が、新たな展開をしていますので、お知ら

せいたします。

昨年10月に始まった学生ボランティア活動の4回目ですが、今回は仮設住宅で「いっしょに遊ぼう」の

受け入れをしてくれていたNさんの被災した家へ行って、水をかぶらなかった2階を使うことが出来る

ように、玄関から階段・2階までのスペースの汚れを落として、家の中を普通の家のように、土足禁止

にしました。
最終日は玄関で靴を脱いで2階へ上がり、子供たちと学生たちが豚汁を作ってお友達を招いて一緒に

食べ、皆さんの心からの笑顔と笑い声を聞く事ができました。またNさんの長女が4月から小学校に入

学で、自宅から学校までの通学の練習も行い、 いよいよ「復興」か・・・と見えるのですが、実はその裏

には複雑な状況があります。
Nさんのご自宅のお庭部分は道路用地になる予定で、ご自宅の建物はそのぎりぎりの場所にあり
石巻市からは「実際に道路建設を始めると家にかかる可能性もあるので、1~2年は家を改築などし

ないように」と言われたそうです。しかしこの家は大工であったおじいちゃんが建ててくれた新築の家で

あり津波の犠牲になって亡くなったおじいちゃんへの思いもあり、ご夫婦で相談された結果 3年後に

取り壊しになるとしても、おじいちゃんが建ててくれた家で出来る限り多くの思い出を作ろうと、改修し

てそこに住むことを決められたそうです。
2人のお子さん(6歳と2歳)にも、お父さんお母さんの思いを伝えたいと言っていらっしゃいまた。
経済的な問題もあり、少しずつ手を加えて、いずれは仮設住宅から自宅へもどることが出来るように

という長期計画の第一段階です。
私たちが2階を掃除している間、Nさんは1階で壁紙をはがしたり、断熱材を引っぱり出したりとホコリ

にまみれながら精力的に、しかしとても楽しそうに仕事をされていました。
悲しい事に、一歩、家の外へ出ると周りには数件の家しかなく、一面更地が広がっています。
最終日はとても風の強い日でしたが、海からの風がまともに吹きつけ、ビュービューという音が寂しか

ったです
家が取り壊しになった周りの空き地には、誰かが持ってきて捨てて行くゴミが散らばり、 まだまだ子供

たちが安心して遊べるような環境ではありません。Nさんはご自宅の周辺を早く生活の色・香りのする

場所にしたいと話していました。
仮設住宅にお住まいの皆さんが、それぞれに複雑な思いでいらっしゃること、また新たな地域コミュニ

ティーを創造していく必要性を考えると、「復興」とは何だろうと考えても答えが見いだせません。
Nさんと学生ボランティアの繋がりはさらに広がり、次はご自宅の周りで「いっしょに遊ぼう」が出来る

ように、お花を植えたり、イベントを企画したりと話しています。
キャンナスさん、今後も協力をお願い致します。日本の将来を託す若者たちが、たくましい「人間力」

をつけて育って行く機会を引き続き与えてあげてください。
最後ですが、学生たちはキャンナスの長期・短期のボランティアの皆さんの温かい心と、 働く後ろ姿

に大いに刺激を受けています。

そのことも彼らのこれからの人生の指針になることと思います。ありがとうございます。


2月24日

 

健介です。
さきほど、湊中学のますこ教頭先生よりお電話を
頂きました。

『キャンナスの本を読ませて頂きました。
 2週間くらい前の河北新報の広告枠に載っていたので
 思わず、すぐにインターネットで買ってしまいました。
 湊中学や大漁旗の事が書いてあって楽しく読ませてもらった
 特に被災直後から今までのことは、本を読みながら
 そうそう、そんなこともあったなぁと自分自身、あの頃を
 思い出しながら、いろんなことを思い出しました。
 キャンナスのみなさん、そして北海道の漁師さんのおかげで、
 3月5日には卒業生を送るソーラン、3月15日には引き継いだ
 2年生によるソーランを踊ります。今年の夏の川開きでもまた
 踊る予定なので、その時にはぜひ皆さんに遊びにきて下さいと
 お伝え下さい。こどもたちが元気に 踊る姿を見に来て欲しい。
 本当にありがとうございます!!』

ということでした。

キャンナスの本はキャンナス本部の話ではなく、
多くのボランティアスタッフの皆さまが住民さんが一緒に
その時の現実と真剣に向き合った時間の記録なんだ
と、改めて今まで関わってきた方々から連絡を受けて
感じています。


2月23日

 

キャンナス石巻活動報告
2月8日~2月15日まで活動させていただいた看護師のYです。今回で4回目の活動となります。

懐かしい再開もあり、新たな出会いもあり、今回もまた色々なつながり、人の温かさに触れさせて頂き

ました。また一緒に活動させていただいたスタッフの方々、とても勉強になりました。

ありがとうございました。
戸別訪問では、在宅の方の訪問をし、支援物資が不十分だったことや仮設の方々と溝を感じ孤立し

てしまいがちであること、など「不満」という言葉では表せない悲しみや、怒り、孤独感という辛さを話し

ていただきました。今まで築いてきた人間関係が震災によって「変わってしまった」と。同じようにその

土地に生き、その土地を愛していた人々の心がバラバラになってしまうことはとても辛いことです。

なんて言葉を返していいのか…。メディアでは仮設住宅に焦点が当たることが多いですが、在宅の

方々へのアプローチの必要性も感じました。
10月からキャンナスに参加させていただいていますが、牡鹿を歩いていると「キャンナスさん、今日は

何しに来たの~?」といって声をかけて下さるお母さんや漁師が増えました。また、お茶会では私たち

が車で立ち去るまで、寒いのに窓を開けて手を振り続けてくれいている方など、牡鹿の地にキャンナ

スが受け入れられ定着してきているのだなぁと嬉しく思います。また、ある住民さんが「こういう役割を

持つのも必要よね」といってその仮設のお茶っ子リーダーを引き受けてくれたり、と住民さん主体のも

のへと変化できていっています。長期スタッフの方々、日々今何が必要とされているのか、何ができ

るのかを考え話し合いながら活動を形作っていっている姿が印象的でした。 


2月19日

 

本日、年越し村以来の「おらほの家」解放中です。
10時~で16時の予定です。 今、3名の住民さんが来てくれています。
その中の「大原中田」の女性住民の方が、
「ひじきの煮物」と「きんぴらごぼう」を差し入れして頂きました。
とても美味しいです!!
その方がご飯を作るのも大変だろうから・・・と、
炊き込みご飯を 一緒に作って下さるようです。
私はおやつに「ホットケーキ」を作る予定です。


2月17日

 

今週、牡鹿のお茶っこの会場にお茶っこのお手伝いに行き、
震災前からの知り合いの方がいる集落の仮設に伺いました。

そこで、震災後に初めて、父の友人で私を幼い時から知っている
おじさん、おばさん等昔馴染みの方たちと、会えました。
生きていたのは知っていたのですが、お子さんの所に避難を
したという話を聞いていたので、会えた時には本当に嬉しかったです。
おじさんとは二人で泣きました。

今回、震災で無事だったけど、連絡が取れない方がまだまだ多くいます。
その理由としては、電話帳や住所録がなくなっていて、どこで生活を
しているかわからないのです。
被災者同士だと、元の住所がわからなくなっているので、元の住所に
はがきを出して郵便局の転送サービスを使えない人が多いので・・・

その中での再会は本当に嬉しかったです。

今回、集落のおばさんが言っていた事で気になったのは、
「わかめを収穫して引き受けてくれる会社は見つけたんだけど、
切ってから出荷しないといけないのだけど、長さが短いと言われた・・・
なかなか難しい・・・
作業小屋もないので、とても寒くて辛い…せめて小屋があれば・・・」

前を向いて、歩き出した人の前に、まだまだ困難な事が多いと感じた
一日になりました。
早く、仕事だけでも安定的に行われる事を願いました。

もう一年?まだ一年?
その人によって時間の流れはそれぞれです。
せめて、この先の一年が少しでも前に進む事が出来る一年に
なり、キャンナスが一緒に進めますように・・・


2月17日

 

あれから早いもので1年が経とうとしています。

今日行ってきた牡鹿の仮設でのお茶っこでは、不眠を訴える人が多く、中には
お孫さんが家の屋根に乗ったまま引き波で海に流されていくのを、どうすること
もできずに、ただ見ていることしか出来なかったことを今でも思い出すんだよ・・・
と話してくれたおばさんがいました。

被災地では誰もが心に、大なり小なりの問題を抱えて生きていることをいつも
感じさせられます。これからも心のケアーが必要なかたが、時間が経つにつれ
て増えていくことを実感しています。

こんな事を書くと、いまだに前に進んでいないようですが、昨日お茶っこをした
浜では、「今までは牡蠣の養殖しかしてなくて、去年初めて種付けしたワカメが
がやっと採れるようになったんだよ~。」とカキフライとワカメのおひたしを振る
舞って下さいました。

プリッとしたカキフライ!そして、この時期だけの新芽のワカメのおひたしは、
柔らかさの中にもチャキチャキした絶妙の歯ごたえ!

そんな事はこの時期、毎年のようにあたりまえに知っていて、美味しい!と
食べていただけの牡蠣とワカメでした。

しかし、昨日いただいた牡蠣とワカメは、漁師さんの思いを感じる事が出来て
「美味い!」と言いながらも目蓋から溢れる熱いものを抑える事が出来ません
でした。

現地では少しずつ、しかし確実に前に進んでいます!


2月16日

 

昨年の10月に、気仙沼双葉保育園の園児とそのご家族に、
ディズニーランドツアーをプレゼントする、スマルプロジェクトをしました。
多くの方から、募金などのご協力を頂き、ありがとうございました。
実はスマイルプロジェクトのサプライズとして、TDLでの写真をスライドショーにして
想い出DVDを作り、ご家族にプレゼントするという企画があり、
千葉大学工学部情報画像学科の学生たちがDVDを作成してくれました。
先日、2月14日にTDLでご家族をご案内した学生ボランティアと、
想い出DVDを作製した千葉大学工学部の学生と共に届けに行きました。

学生たち、園児たちは再会をとても喜んでいました。
DVDを皆で鑑賞すると、
「お姉ちゃんだ!僕も映ってる!」と大はしゃぎでした。


2月16日

 

最近のキャンナスボランティアについて、報告します。

現在牡鹿半島を中心に午前中にお茶っこ、午後に戸別訪問と活動しております。
牡鹿半島は海に囲まれており、気温は石巻本庁地区と比べると、やや暖かさがあります。
駅近くで雪が降っていても、牡鹿半島ではまったく降っていない事もあります。

漁業の町であった牡鹿半島。漁業の再開・復興が希望の光となる事は間違いないでしょう。

今回を機に牡蠣からワカメへの転職をした方もいると聞いております。
また、今回を機に引退をした方もいらっしゃいます。
一人一人、個人個人で状況も・環境も違い、もちろん気持ちの面でも違いがあるのが感じます。

キャンナスとして、医療ボランティア団体として、どのような立ち位置で役割を持って、活動していけばい

いのか。スタッフで話し合い、半島の全体と、そして住民さん個人と深くかかわる事が大切だと日々感じ

ております。

先日、ワカメの収穫という事で、牡鹿産ワカメの酢の物をお茶っこに持ってきて下さった奥様がいらっしゃ

いました。感動のおいしさ。そしておいしいだけではなく、重みも感じました。作り方を教えて頂けたら、

皆様にお伝えします!!こうご期待下さい。


2月5日

 

1/24~2/2までお世話になりました、看護学生のOです。活動報告致します。

今回は、牡鹿半島の各地にある仮設住宅の戸別訪問、集会所でのお茶っこ、そしてその地域の在宅

(仮設に入らず生活している方)の戸別訪問などに参加させて頂きました。
お茶っこでの住民の方は、一緒に石巻や地元の歌を歌ったり、海の事を教えて下さったりと、とても温か

い雰囲気でキャンナスと接して下さいました。
震災で海の仕事が再開の見通し立たない中でも網を作る作業を続けているお父さん方や、山奥にある

仮設という不便な立地を逆手にとって、長い道のりを頑張って散歩している方などもおり、厳しいつらい

日々の中でも工夫しながら踏張っている浜の人々の生活には頭が下がる思いでした。
また、やはり仮設に入ってから積極的に体を動かしたり人と会う機会は減っているようです。「何もする事

ないからなあー」と家にこもりがちで体重が10kg増えてしまった方なども見受けられたのですが、ただ、

今の厳しい寒さや、やる事(浜や海の作業)がない現実を考えると外に出たくないのも当然の事であり、

言葉がけや促し方のなどの難しさも感じました。

滞在中は大雪の影響を受け、石巻も5cmほど積雪&凍結する事があり、牡鹿までの道の安全を考え

お茶っこ&訪問を中止した事もありました。
厳しい気候の中、長期スタッフの方々は、ボランティア対応から調整、イベント企画、車の運転まで、たく

さんの業務をこなしながら、いつも笑顔で頑張っておられます!
色々とお世話になり本当にありがとうございました。またよろしくお願いいたします。