キャンナスパワー2012年5月


5月7日

  こんばんは、今月より気仙沼市の猪苗代病院で働いているIと申します。
もう少しまめに報告ができれば良かったのですが、あっという間に1ヶ月が経ちます。

病院の周辺にもようやく春到来で、今は桜が満開でとてもきれいです。暖かい日差しと桜

の花に、やはり心が和みますね。
現在猪苗代病院には、私を含め2名の支援の看護師が入っており、1名は病棟に、私
は外来で勤務しています。

こちらの病院に勤務しての第一印象は、スタッフが休みなく毎日のように勤務していると

いうことです。といっても、外来は一日中忙しいというわけではないのですが。波があり、

時間によっては暇を持て余すスタッフがちらほら見られるというのも事実ですが、外来 病棟

とは違い忙しさが予測できないので、人員配置が難しいのかもしれません。勤務当初は、

2週間連続の日勤(遅番までの延長勤務が時々入る。)という看護師もおり、本当にびっ

くりしました。

その看護師も最近は週に1日は休みがもらえているようで、ホッとしています。患者さんの

話からすると、やはり看護師が震災後から減ってしまったようです。今月下旬より、自宅か

ら病院まで片道車で1時間半かかる中、看護師さんが一人外来に職場復帰してくれました。

小学生のお子さんがいるのに、本当にすごいなぁと感心してしまいます。その方は元々の

家が全壊し、片付けに加え今の場所に引っ越したこともあり、今まで職場復帰が難しかった

ようです。気仙沼の被災地域に新たに家を建てるとなると、まず盛り土で高台にして、土台が

しっかり固まるのを待ってから家を建てることになり、7年くらいの年月を要すると地元の方が

話していました。その年月を前にやはり再建の元気が出てこない方も多くいるようです。安心

できる家が建てられない⇒住人の減少につながり、震災後の看護師さん離れにはそういう問

題が関わっているのだろうなと感じました。

震災から1年以上が経ち、震災の話をする患者さんは沢山いらっしゃいますが、震災による

精神的な訴えで加療をされている方はあまり見かけません。外科・形成外科が中心の病院

だからなのかもしれません。しかし、震災後の片付けで腰や膝等身体を痛め通院中の方は

まだまだ沢山いらっしゃるのが現状です暖かくなった今はインフルエンザ患者さんもほぼ見

られなくなり、やはり整形または外傷の患者さんが多いです。

病院の建物自体は、津波で完全に浸かった1階は塗装されてきれいになっていますが、リハ

ビリ中の患者さんに直接日が当っている現状を改善すべく、窓に遮光のカーテンか貼り物を

お願いしたり、環境の整備を心がけています。今は震災後から溜まったレントゲン写真の棚

に月毎の仕切りを作成し、再使用時に見つけ出しやすいようにしています。スタッフからは

 

「震災前はそうやってたんだけどね。。」という声が聞かれ、震災後そこまで手が回っていない

のかなと感じました。他にも頂いた支援物資や医療物資が煩雑に空いている部屋に置かれて

いるので、1年間の勤務中に少しずつ整理整頓のお手伝いをしていけたらいいなと思っています。