キャンナスパワー2012年1月


1月30日

 

1月17日から27日まで活動させていただきました看護師のYです。今回で三回目の活動になります。

新たな活動拠点の「おらほの家」では、元板前さんの住民さんと一緒に鱈を捌いて鍋をしたり、「血圧が

ここで測れるって聞いて…」といって来て下さった住民さんと話をしたり、雪が積もった日にはソリ(?)を

したり、とあっという間の10日間でした。
主に仮設住宅でのお茶っ子や、戸別訪問を行いました。お茶っ子時の血圧測定で180代と高かった住民

さんが午後すぐにかかりつけ医を受診したり、ご高齢で血圧が高く未受診の方には、家族とも話をし、

受診へとつなげたりすることができました。しかし、一方で受診を勧めているにも関わらず、「(病院のあ

る)石巻まで出るのが面倒だ」「いつも高いから大丈夫」「病院に行ってもっと変なもんが見つかったらい

やだ」と言って中々受診に繋げられない方々もいます。また、血圧だけでなく、食事や喫煙、飲酒等など、

医療者として気になる方々がたくさんいます。看護師として、「病院」という空間でなく「生活」の中で、この

ような方々にどのように関わることができるか、その難しさを感じました。
お茶っこに来てくださった80代の独居の男性の方。震災後、仙台のアパートに娘さんと避難をし、不慣れ

な環境で外にも出ず、ほぼ毎日ベットで寝て過ごす状態になってしまったそうです。「このままじゃダメに

なる」と思い、住み慣れた牡鹿に一人で戻って来て仮設での生活をはじめた所、今では自分で家事をこ

なすまでにADLは上がり、お茶会では笑顔で周囲の住民さんと会話をしていました。そんなお父さんは

「ずっとここの浜で漁をやっていたんだ。今から船を買ってやり直すっていうのは無理だけど、若い連中

に乗せてもらってもう一回海に出たいなあ…!」と話してくれました。叶うといいな~!
このように牡鹿の方々と話をしていると、「ここから見る夕日は太平洋に沈む夕日でね、ほんとに綺麗な

のよ」「ここの浜の牡蠣は格別だよ。他所の(牡蠣)とは比べ物にならない」と、みなさん自分の育った土

地が好きで、誇りを持っているのだと感じます。私も、このボランティアをきっかけに牡鹿に来ましたが、

夕日も星も、自然が本当に綺麗で、新鮮なお魚やお母さん方自慢の漬物も美味しく、何よりも住民さんの

温かさにとても癒され、毎回逆に元気をもらっています。私たちは「孤立死の予防」という目標のもとに

活動をしており、瓦礫撤去等のようにすぐに目に見えた成果がでにくいものでもあります。しかし、震災で

失ったものの喪失感や今後の不安を抱えている住民さんから「話を聞いてくれてありがとう。ちょっとすっ

きりしたよ。」「お茶会で震災後初めて隣の浜の人に会えて嬉しかったわ。」といった声を聞いて、復興に

向けて大したことはできないけれど、私と会って話して笑って…それで少しでも気分が晴れて、住民さん

が自分で一歩踏み出せる力になることができたらいいな、と思います。
震災から10カ月。若い世代の方々を中心に漁業を再開し始め、住民さんの生活も日々変化していってい

ます。復興に向けた思いが自分本位のものにならないよう、今そして今後に必要とされていることは何な

のかを考えながら、支援を継続、変化させていきたいですね。


1月29日

 

1月22日~1月27日まで活動させていただいた、静岡の理学療法士、Kです。

皆さんとお茶っこに参加させていただいたり、仮設住宅の手すりの設置の評価をさせていただきました。

また、くもんのセミナー、鎌田先生の講演会のお手伝いをさせていただきました。
リハビリ部門として、作業療法士の野津さんには大変お世話になりました。リハの専門性を生かしながら

も、リハビリという枠にとらわれずに積極的に活動されていたことがとても印象的でした。あと、パジェロの

運転さばきと、ふんわりパーマも印象的でした。
初めての活動参加で、いろんな意味で感じることがありました。被災地の皆様、現地で活動されている皆

様の笑顔がとても心に残り顔と顔が見える、人とのつながりの大切さを改めて実感しました。

また、逆にいえば、被災地の皆様、現地で活動されている皆様の顔を知った今は、自分にできることを考

えながら少しでも協力できたらと、今まで以上に強く思うようになりました。
私が参加させていただいた週はとても寒く、石巻にも雪が積もっていました。皆様、お忙しい毎日だと思

いますので、お身体をお大事に、そして、これからも笑顔を絶やさずに「顔晴って」(がんばって)ください☆


1月27日

 

本日石巻はココ一の寒さでした。雪も昼過ぎから降ってきており、道路状況に注意!!な感じでした。
本日は個別訪問が中心でした。浜の男性陣や個別でフォローしている方の所に行き、血圧などを図りま

した。
野津の方は宮城県士会のPTさんから引き継ぎをした住民さんのリハビリフォローをしていました。
Iさんから
「今回も色々な事を経験させて頂いた事、色々な方と活動出来た事が良かったです。また、近々来ちゃうかも・・・」

Y「浜のお父さんが『次はもっと復興してっからまた来いよ』と言ってました。ここに来ると人とのつながりって素敵だなって。大切なここで出会った方々とのつながりを求めてまた来ちゃうんだろうな。」
ちなみにYは今回は今日で最後です。毎回いつも長期メンバーの支えとなっています。
Yのように今後の石巻の復興に関わっていきたい。キャンナスに関わっていきたい。という方が居てくれる事が嬉しい今日この頃です。


1月16日

 

12日から15日の石巻での報告をさせていただきます。
札幌の真鍋です。

石巻事務所に「何か札幌から持ち寄せるものはありませんか?」と問い合わせしたところ、
お返事は「ボランティアの方が一人でも多く・・」との切望でした。
なので・・少しでも現地の様子を届けたいです。
(長々スイマセン・・長いです)

今後のボランティアの方がお一人でも多く、現地につながって頂きたいです。
午前中からの始動は牡鹿半島への移動時間1時間から始まります。
集会所でのお茶っ子と仮設の個別訪問の活動をさせて頂きました
牡鹿半島、仮設住宅の集会所での活動はホントに大事な役割です。
集まった皆さんが、日常ではできない、心の蓋を少しずつ開けている様子がわかります。
「お隣の音が近すぎて・・仮設 に入ってから大きな声で笑った事がない、
商売をやっていて大きな声だったんだけどね、声が低くなってしまった。
たまにはこうやって集まったら笑いたい。」
その日はみんなで、お隣に座ってる方の背中を触り、大笑いの時間を取りました

「皆が来たら、うまく話せないけどゆっくり聴いてほしい・・」と
集会所の解錠後間もなく、やってきて寒い中でお話始める方・・
「みーんな流された・・まだお父さんも流されたままだっちゃ・・でも夢のお父さんが
いい顔してるようになったっちゃ・・」

これまでの支援で外見の瓦礫の山盛りに心痛めていた時より今、心に深く、おもいつめる方々が本当に

多くいらっしゃいます。
最近のほうが辛い・・と。
「今頃になって、フっとした瞬間に、ハァ~~っと涙が出そうになるっちゃ。
でも自分で上向かなきゃね・・足痛くなるまで外を歩く時がある・・」
まだまだやさしい皆さんの手と心の耳があの空間には必要です。
石巻のスタッフの皆さんは少ない人数で、毎日被災地の皆さんのために
集会を盛り立て、そこから個別のケアフォローにつないでいます。

個別訪問をした際に言われました。
「ボランティアの方がこうして家に来てくれるのが有難い病院には月に一回しか行けないもの。血圧測っ

てもらって安心だ」

たまたま訪問中に近くの浜で半壊の自宅の部屋の一部に住むお姉さんがやってきました。
「震災前、ここの浜はみんな助け合ってホントに仲良かったんだ、だけど変わってしまった。
家に仕方なく住んでいるけど、家にいるものには物資は届かないさ」
餅も何にもなくて仮設にいる人がくれたことがある と涙ぐみ
「だけども、反対にもらっているのが申し訳なくてか、見えないように隠す事もある
皆が仲良く出来なくなったっちゃ・・家の者と仮設の者がぎくしゃくしてる」
この方の止まらないいっぱいの話を聴いて、「震災後、流されたものだけじゃなく、失くしたものもあるんで

すね。」と声が詰まって、やっと伝えました

「そうなんだよ、ひどいもんだよ。誰にも言えんさ・・」
「あーいっぱい怒ったら、胸がバリっと軽くなった。ここの家に来てよかったわありがとう!」と
笑顔

になってくれました。

寄磯浜の家に住んでる人も何とかしてくれって、あんたからも伝えてね。と
住所とフルネームを教えて下さいました。

石巻スタッフの皆さま
本当に毎日、朝から夜遅くまで、お疲れ様です
短期間すぎて、申し訳ありませんが、次回もできる事は何でもさせて下さい

ご飯も作ります。掃除もOKです

高橋所長、地元のスーパーは食材も価格も最高でした。
こちらもまた行きたいです。

同じ時間共有できたボランティアの方々、皆さまとの出会いに感謝いたします。

1月8日

 

皆様 お疲れ様です。1月7日の活動報告をさせていただきます。
 
昨日は午前中は仮設住宅の集会所でお茶っ子飲み会、午後は仮設の個別訪問を行いました。
急きょ、アメリカやドイツから来られた大学院生の方々がボランティアの見学に来られました。
当初は何人もの外国人が突然来て、住民の方が驚いてしまったり、お茶会の雰囲気が壊れて
しまったりすることを予感していましたが、予感は取り越し苦労だったことがわかりました。
住民の皆さんには「本当に遠いところよく来てくださった。」と言っていただいたり、見学に
来られた学生の方も本当にやさしくてとても和やかなお茶会になったと思います。
 
外国の方が来るというのは極端ではありますがゲストがいるというのは、場を盛り上げたりと
雰囲気作りの大切な要素になるので、今後もいるといいなと思いました。
また、今回も血圧Q&Aをしましたが、問題がわかりにくかったり表現が難しかったりした
のではないかと振り返りをし、問題数を減らしました。Q&Aもいろいろ試行錯誤が
必要かと思いますが、知識向上と再認識のためには大切だと思います。
 
昨日で活動を終えましたが、何度活動し終えても最後にはなんとなくいい意味での
「やり残し」のようなものを感じながら帰路についています。さまざまな反省と希望を胸に
また来ようと思っております。
 


1月6日

 

皆様 お疲れ様です。現在石巻で活動中のNと申します。活動報告をいたします。
 
昨日は仮設住宅の住民の方からの依頼で、窓ガラスに断熱シートを貼るのを手伝ってまいりました。
断熱材が配布されたらしいのですが、高齢の方や体の不自由な方は簡単なシートですら張るのは
容易

ではありません。それらを貼るのにキャンナスが任されました。
シートを貼りながら住民さんとお話をしたり、また家の中での暮らしを少しでも垣間見ることができ、
目的

は違うかもしれませんが、とても有意義な時間だったと思います。また、このような作業を手伝う
とい

うことで、キャンナスを思い浮かべていただけたことも嬉しいと思いました。
 
そして今日はある仮設住宅の集会所でお茶っ子飲み会を行ないました。
そして本日始めて血圧の知識の向上と再認識をしていただくため、「血圧Q&A」と題して血圧に関する
クイズを出題し、それに〇×で答えていただくという住民参加型の催し物を行ないました。
血圧に関してのクイズの正解率は私たちが思っていた以上に良く、また興味をもって聞いて下さっていま

した。それらの知識を日常生活の中で無理なく活用し、予防に反映できるよう今後もこのような健康に関

する啓蒙活動は必須だと思います。今後、血圧の話だけでなく他の症状や疾患などについてもできれば

いいと思いました。
 
前回のメールでもお伝えしましたがボランティアの数が少なく、現在はわたくし1名です。
ボランティア活動をしようかどうか迷われている方がいらっしゃいましたら、
私からおすすめいたします。
 


1月4日

 

1月2日から活動をしているNと申します。活動報告をさせていただきます。
 
年末のおらほでの活動も終わり、キャンナスは平常の活動に戻りつつありますが、お茶っ子
飲み会の開催が6日からということで、今日明日は石巻の事務所で情報交換や準備などを
したり、個別にお宅を訪問したりしています。
まだこちらに着いてから数日しかたっておらず、大した活動報告もできずにいますが、現在
短期ボランティアは私を含め2名しかおらず、その1名は今晩帰ってしまいます。
仮設住宅にいらっしゃる住民の方の情報を聞けば聞くほど、マンパワーが必要だということを
切実に感じます。
今回私自身は4回目のボランティアになりますが、ニーズは常に変化しています。
やることは本当にたくさんあるなと毎回参加ごとに実感しています。
たくさんのボランティアの方が来ることを望んでいます。

1月2日

 

石巻の牡鹿半島で今後キャンナスの拠点となる通称『おらほの家』を年末年始28日~本日まで気軽にど

なたでも立ち寄って頂くオープンスペースとしてイベントを行ってきましたが、本日無事終了する事ができ

ました。

いたらない点も多々あったと思いますが、多くの笑顔と様々なお話しを聞くことができました。

リアルTimeの報告としては主にTwitter(http://twitter.com/#!/cannurseStaff)で写真等アップしていまし

たが、まだまだ伝えきれていないところも多いかと思います。

また随時、活動現場からの報告や感想を発信していきたいと思っています。

今回のイベントで私自身、印象に残っているのは、
『もっともっと続けて欲しい。最後は人なんだから。
そこにいる人が好きで集まってくるんだから。』と住民さんがおっしゃってくれた事です。

キャンナスに集まってくれている全国各地ボランティアスタッフ、支援者のみなさまのパワーや思いが、
被災地の皆様に受け入れられいると感じています。